◆保育の心理学 短評
今回の試験も、乳幼児の子どもの発達に関する問題が中心でしたが、よりそれがはっきりと出た印象を受けました。また、これまで出題が多かった心理学者とその学説や用語を結び付けるような問題が少なくなっています。表面的な知識を問うのではなく、用語の持つ意味をしっかり理解しているかどうかを、保育現場での事例などを通じて問うような問題になっています。また、例年出題されていた発達障害や精神疾患などの精神保健に関する問題が少なくなっていました。今年の試験は今までと少し出題傾向が変わったように感じました。
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◆保育原理 短評
例年通り、保育所保育指針からの出題が半数以上(14問)、特に第1章「総則」と第2章「保育の内容」が絡む問題が12問もあり、第1章、第2章を中心にしっかり読み込んでおくことが必要だと感じました。事例問題は、基本的な知識で十分対応できるという印象でした。保育の歴史は、近年の過去問に見られない人物も出題されましたが、過去問で繰り返し出題される人物を確実に覚えておけば正答できるような出題でした。
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◆児童家庭福祉 短評
人物の歴史が1問も見られず、近年増えていた統計データの出題は1問しかなかった、ということから出題傾向が少し変わったという印象を受けました。また、今回は子育て支援事業からの出題が5問と多く、時世を反映しているようにも感じられます。しかし、児童福祉施設の目的や対象児童、「児童の権利に関する条約」第12条の空欄補充など、基本と言える問題がいくつか出題されているので、それらを取りこぼさないよう確実に正答することが、合格の必須条件でしょう。
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◆教育原理 短評
「教育基本法」や「幼稚園教育要領」、教育思想家に関する問題など、いままでもよく出されている内容から出題でしたが、選択肢からの言葉選びが難しく、以外と難易度が高かったように思います、特に問6は、Aのコメニウスに関する記述は正しいのですが、問題の前提が「19世紀後半から20世紀初頭の新教育運動」となっているため、活動した時代が違い誤りとなるという、知識と注意力が求められる問題もありました。
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◆社会的養護 短評
児童虐待防止法の改正点や児童福祉施設の職員、施設運営指針からの問題と、比較的これまでも出題されてきた内容でした。ただ、「社会的養護自立支援事業」などの出題もあり、近年取り組まれている社会的養護の充実にむけた施策についても基本的な内容を理解しておくことが必要になっています。
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◆子どもの保健 短評
発育・発達について、発熱などの子どもによく見られる症状の対応、感染症、アレルギー、精神保健など、いわば基本ともいえる内容の出題でした。子どもの保健の対策として押さえておくところをしっかり押さえておけば合格点が取れただろうと思います。
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◆子どもの食と栄養 短評
例年出題のある「日本人の食事摂取基準(2015年版)」「授乳・離乳の支援ガイド」「平成27年度乳幼児栄養調査」「国民健康栄養調査」といった資料や統計からの出題があり、傾向としてはこれまでの試験と大きく変わったところはないと感じました。過去問を解いて、必要な内容をしっかり押さえておけば合格点が取れただろうと思います。
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