「医療事務の資格は欲しいけど、試験がどれくらい難しいのか不安」という方もいらっしゃるかもしれません。また医療事務資格は多岐にわたるため、どれを選べば良いのかわからない方も多いでしょう。医療事務の資格は、種類によって合格率が異なります。ここでは目指す資格の参考にもなるよう、各種医療事務資格の合格率についてご紹介していきます!
テレビCMや通信講座の広告が多いことからも、なんとなく簡単に取得できそうなイメージのある医療事務の資格。実際のところはどうなのでしょうか?
実は医療事務には国家資格がありません。その代わり数十種類にも及ぶ民間資格が存在しています。医療事務に就くために必須の資格は特になく、数ある資格はどれも基本的に医療事務における知識と技術の証明をするためのものです。そのため、医師や看護師、薬剤師など他の医療関係の資格に比べれば、医療事務資格ははるかに容易に取得できる資格だと言えるでしょう。医療事務資格全体の合格率は50〜60%となっており、「ものすごく難しいわけではない」とされています。
しかし、医療事務には専門的な知識と技術が必要となります。たとえば医療事務の代表的な業務である診療報酬明細書(レセプト)の作成。これは患者さんが受けた診療行為を点数化し、いくらが本人負担でいくらが公的医療保険からまかなわれるのか計算するという仕事です。このように他の職業にはないスキルが求められることから、医療事務の資格取得にはきちんとした意味があり、専用の勉強が必要であると言えます。
では、医療事務資格それぞれの合格率はどうなのでしょうか。医療事務は民間資格のため様々な団体や法人、協会などが主催しており、その団体によって合格率も異なってきます。また資格の内容(証明するスキル)によっても合格率は異なります。特に、専門的な内容に特化した試験ほど、合格率は低い傾向があります。
ただし基本的には各資格試験は学科と実技によって構成されており、同じような出題傾向があると言えます。資格によって異なりますが、全体の70%以上の得点で合格が確実だとされています。
ここで、数ある医療事務資格の中でも特に人気の高い資格の合格率を見てみましょう。それぞれの資格の特徴とともにご紹介します。自分の目指す資格の難易度をチェックし、勉強の指針に役立ててください。
【診療報酬請求事務能力認定試験】
合格率:医科…約30%、歯科…約40%
医療事務の最高峰・最難関と呼ばれる資格です。レセプトの作成に特化しており、医療保険制度や診療報酬の深い知識が求められます。合格率が低い上に試験日程も年に2回とあって難しい資格ですがその分信頼度・認知度ともに高く、取得すれば就職・転職時の強いアピールポイントとなるでしょう。未経験者が臨むには難しい資格で、働きながら取得を目指す人も多いようです。
【医療事務実務能力認定試験】
合格率…50%前後
全国医療福祉教育協会という団体が実施している試験となり、レセプト作成技能、医療関連法規に関する知識が主に出題される試験となります。
診療報酬の算定や請求については医療事務の基本業務となりますので、医療事務業務における技能の証明としては比較的お勧めの資格となります。
年3回試験日はあるものの、診療報酬請求事務能力認定試験に次いで難しい試験であると言えます。
【医療事務実務士®(医療情報実務能力検定試験)】
合格率:1級…約54%、2級…約60%
本試験については在宅での受験が可能となりますので、比較的気軽に受けられる試験であると言えます。過剰な診療報酬請求もしくは、漏れ防止テクニックを図る試験となり、比較的実務に近い試験内容となります。
取得する資格をどれにすべきか迷ったら、合格率の高い資格から取得して実務経験を積んでいくのもひとつの手。ここでは比較的易しい資格をご紹介します。
【医療保険士】
合格率:非公開
医療保険学院が行う資格で、医療事務講座の修得度を評価するものとなります。ヒューマンアカデミーの「たのまな」では、専用の講座を受講すると修了試験が受験可能です。医療保険士については、講座を受講して、医療事務の基礎的な知識が身についているのかどうかの判断材料として利用頂くのにお勧めの資格となります。
【電子カルテオペレーション実務能力認定試験】
合格率:60%〜80%
医療の現場のIT化に伴い、教育用電子カルテソフトであり、文部科学省でのカリキュラムに沿った「C&C電子カルテシステムⅡ」を使用して、電子カルテ等の業務に関する基礎知識、実務に必要なオペレーションスキルを判断する試験となります。電子カルテや、レセプトコンピューターを導入しているクリニック、病院は増加傾向にありますので、非常に役に立つ試験であると言えそうです。
医療事務には様々な資格があります。自分が目的とする資格の合格率を知ることは、勉強する際の目安となるでしょう。合格率の高い資格を選んで試験を受けるのも良いでしょう。資格取得は、知識の習得具合を判断するのに最適ですので、上手に活用して勉強を進めていきましょう。