やさしい日本語の仕事と資格について

Column01
やさしい日本語の仕事と資格について

「やさしい日本語」というものをご存じでしょうか? これは、在留外国人や訪日外国人に対して、よりわかりやすく伝えるための日本語のことを指しています。
在留・訪日を問わず外国人とのコミュニケーションをとる場面が増加傾向にある中、やさしい日本語の必要性も高まっています。

やさしい日本語とは?

やさしい日本語が生まれたのは、阪神淡路大震災がきっかけでした。当時、避難に関する日本語が外国人に伝わり切らなかったために、必要な情報を受け取れなかった外国人が多くいたのです。
そこで「避難」ではなく「逃げて」、「炊き出し」ではなく「あたたかい食べ物を、作ってくばる」というように、 書き文字で伝える「わかり『やすく』、『優しい』日本語」、つまり2つの意味での「やさしい日本語」が生まれたといいます。

現在は災害時だけでなく、訪日外国人をもてなす際など、さまざまなコミュニケーションの場面でやさしい日本語は活用されるようになっています。

やさしい日本語にはどんなスキルが求められる?

やさしい日本語を活用するためには、下記の2点が求められます。

・日本語をよく知ること
・相手(外国人)のことをよく理解すること

日本語の基本的な文法から活用方法までを学び、伝える相手である外国人がどれくらいの日本語を習得しているのか、どんな日本語なら伝わるのかといったことを理解するスキルを身に付ける必要があるのです。

やさしい日本語を活かせる仕事や場面は?

やさしい日本語を活かせるシーンは多岐にわたります。 例えば、次のような仕事や場面でやさしい日本語が役立つといえるでしょう。

・職場に外国人スタッフがいる場合
・接客業で、外国人に接客することがある場合
・留学生やホームステイなど、訪日外国人とコミュニケーションをとることがある場合
・その他、国際交流活動に参加することがある場合

2020年の東京オリンピックに向けて、ますます在留・訪日外国人数は増加すると考えられます。気持ちの良い交流のためにも、やさしい日本語を学ぶことは有効です。
また、外国人だけでなく、子どもやお年寄りとコミュニケーションをとる際にもやさしい日本語はおすすめです。

たのまなの「やさしい日本語活用講座」

たのまなの通信講座「日本人のための『やさしい日本語』活用講座」では、やさしい日本語について勉強することができます。 この講座は、どんな特徴のカリキュラムがあり、おもにどんな人におすすめなのかをご紹介します。

講座の概要

日本人のための「やさしい日本語」活用講座は、日本語教師を養成するヒューマンアカデミーならではの、充実した講座となっています。 日本語の基礎文法やルールを丁寧に学ぶことができる上、やさしい日本語をマスターするための反復練習に最適な「1000問ドリル」、 疑問点をすぐに解消できる「質問機能システム」などを活用することができます。

カリキュラムの流れ

標準学習時間は3ヵ月となっており、DVDやeラーニングを使って受講します。 教科ごとに確認テストがあり、さらにテキストや1000問ドリルも使って学習を深めます。 修了テストには筆記・実技があり、筆記試験は講師による添削を受けます。実技試験は、実際にやさしい日本語を使って外国人に話しかけるという試験になります。

こんな人におすすめ!

日本人のための「やさしい日本語」活用講座は、特に次のような人におすすめの講座といえます。

・接客や職場で外国人と接することが多い
・地域の在留外国人に何か支援活動をしたい
・訪日外国人を気持ち良くもてなしたい
・自分の日本語知識を、基礎から鍛えたい
・お年寄りや子どもにも伝わりやすい日本語を学びたい

また、やさしい日本語講座は、ヒューマンアカデミーの「やさしい日本語指導者養成講座」に編入できるという制度を設けています。 その場合、基礎講座は免除となり、応用科目から学ぶことができます。卒業後は本格的にやさしい日本語指導者として活躍したいという人にもおすすめです。