コラム

02病棟クラークとは

医療の現場で、患者さんの役に立っていきたいと考える方に最適な仕事の一つに病棟クラークという仕事があります。「病棟クラーク」とは、医療業界初心者の方には少し聞き慣れない言葉かもしれません。病棟クラークは近年非常に注目の高くなってきている職業であり、医療事務の仕事のひとつです。

では、病棟クラークとはいったいどんな仕事で、どんなスキルが必要とされるのでしょうか。今回は「病棟クラークとは何か」「病棟クラークになるにはどうすればよいのか」「病棟クラークになるにあたって、有効な資格は何か」について詳しく見ていきましょう。

「病棟クラーク」とは?

病棟クラークとは

「病棟クラーク」とはどんな職業なのでしょうか。医療業界に馴染みのない方の中には聞きなれない言葉であると感じるかもしれません。「クラーク」は事務員という意味であり、この言葉からもわかる通り病棟クラークは、各病棟、ナースステーション(入院病棟)専属の事務部門のスタッフをいいます。中規模以上で入院患者を抱えている病院内では、病棟ごとに病棟クラークを配置しているところが多いようです。

病棟クラークは、ナースステーションに常駐し、電話の応対からベッドのネームプレートの作成、カルテやレントゲンの管理、検査データの処理、診断書等の書類の受け渡し、入退院の手続き、医療用物品の手配や管理など多岐にわたる様々な業務を受け持ちます。医療現場を影で支える存在といってもよいでしょう。病棟クラークは、医師や看護師をサポートし、連携していくことが求められる仕事です。

病棟クラークは、医療事務の中でも比較的患者さんと密なコミュニケーションをとる必要があり、柔軟な対応や、コミュニケーション能力を必要とする職業といえるかもしれません。病棟クラークは、診察や治療にやってくる患者さんと接するので、細やかな気遣いが大切です。

病棟クラークになるために必要な資格

医療事務同様、病棟クラークになるにあたって必須の資格はありません。病棟クラークは医療行為そのものに関わることはありません。とはいえ医師、看護婦とともに働いていくことを考えると、医療関連の知識についてはあるに越したことはないでしょう。病棟クラークでは、患者さんのカルテの整理や書類の受け取り、病室の手配、入退院の説明等を行うので、医療事務の関連の資格について取得することをおすすめします。病棟クラークの仕事では、書類の手配やカルテの整理などを行うことを考えると、パソコンのスキルが必要となるシーンも多く。医療コンピューターの技術も身につけると役に立つでしょう。

病棟クラークの仕事では、医師や看護婦をサポートする秘書のような役割も求められるので、通常の医療事務の資格に加え、2級医療秘書実務能力認定試験や医師事務作業補助者実務能力認定試験のような接遇や院内コミュニケーション能力を補助する勉強をすることもおすすめです。院内で必要なサポート業務についての基礎知識を身につけていくことで、実際の病棟クラークの仕事現場でもすぐに活躍できるスキルにつながるでしょう。

病棟クラークを目指す際におすすめの講座

病棟クラークとは

病棟クラークを目指すにあたり、ヒューマンアカデミーの通信講座『たのまな』でもいくつかの講座をご用意しています。病棟クラークを目指す上で、おすすめの講座は、「医療事務講座」もしくは、「認定医師秘書(医師事務作業補助者)講座」の2つの講座です。それぞれの講座では、医療事務認定実務者®もしくは、認定医師秘書(医師事務作業補助者)の資格を取得することが可能です。いずれの講座も、医師と看護婦をサポートするために最適な知識を身につけることができる内容です。

病棟クラークは、病気や怪我などで不安な患者さんを支え、医師や看護の橋渡しとして重要な役割を担っています。長期にわたる治療では、患者さんにとって金銭面でも大きな負担があります。入院費や治療費、保険などの質問や相談について答えていくことも大切な仕事です。

医師や看護師の過酷な労働状況が問題となっている近年、医療スタッフの片腕として、医師や看護師が患者さんのための本来の業務に邁進できるよう影で支える「病棟クラーク」は、なくてはならない存在となってくるでしょう。

医療事務の仕事の中でも、病棟クラークは入退院や保険申請等を始めとする手続きの説明など、患者さんに接する機会の多い職業です。誇りややりがいも多いでしょう。しっかりとした知識を持って、仕事に挑んでいくためにも事前の勉強は大切です。通信講座を上手に利用して、病棟クラークの仕事を目指してみてはいかがでしょうか。