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02歯科助手を対象にした資格・検定の種類

歯科医院で働いているのは、歯科医師や歯科衛生士だけではありません。事務業務や歯科医師・歯科衛生士のサポート業務などを行う歯科助手も、歯科医院には欠かせない存在です。そんな歯科助手を対象にした民間の資格や検定はいくつか存在しています。

今回は、歯科助手に関する資格・検定についてご紹介していきます。

歯科助手の仕事

歯科助手の仕事

歯科助手の仕事は、受付での患者さんへの対応がまず挙げられます。患者さんの診察券を確認したり、患者さんに問診票を書いてもらったり、患者さんからの問い合わせに対して回答するなど、受付業務全般を担います。

また、レセプト(診療報酬明細書等)の作成も歯科助手の業務のひとつです。レセプト作成のためには、診察内容をきちんと把握した上で、医療費を計算しなければなりません。そのため、診療行為をきちんと理解できる高い専門性と書類作成の正確性が求められます。
さらに、歯科医師や歯科衛生士のサポート業務も、歯科助手の大事な仕事です。

歯科助手の資格・検定の種類

歯科助手には、国家試験は存在しません。資格がなくても、誰でも歯科助手になることはできます。 しかし、民間団体が認定する歯科助手の資格を保有していたり、検定試験に合格していたりすると、歯科助手としての能力を客観的に証明することができます。 就職の際には、即戦力として働けるとみなされ、条件面で有利になる場合もあります。

それでは、歯科助手の資格や検定には、どのような種類があるのでしょうか。代表的なものをご紹介します。

・歯科助手資格
公益社団法人日本歯科医師会が認定しているのが「歯科助手資格」です。 歯科医療をスムーズに行うために、歯科助手の育成とスキルアップを目的としています。試験ではなく、専門学校での実際の講習などを通じて認定される資格です。

歯科助手資格には、甲種と乙種の2種類があり、さらに乙種は、乙種第一と乙種第二の2つに分かれます。
事務作業に関わる認定が、乙種第二歯科助手資格です。認定には、歯科助手としての心得、一般教養、歯科臨床概論、歯科事情、社会保険の概要、受付の業務など11項目に対して、計40時間の訓練時間が必要となります。
乙種第一歯科助手資格は、おもに診療室内の仕事についての認定です。一般教養、歯科臨床概論、保守管理、消毒法、共同作業など11項目に対して、計52時間の訓練時間が認定には必要です。

甲種歯科助手資格の認定のためには、120時間の実習を含む、診療用機械の取扱いやX線フィルムの整理、歯科用語、消毒法、医療安全など全17項目、計420時間の訓練を受ける必要があります。 また、乙種第一歯科助手資格を既に持っている人の場合は、3年以上の実務経験と補充研修訓練基準による訓練を修了すれば、甲種歯科助手資格を取得することができます。 訓練時間はあくまでも基準で、地域や学校によっては、実際の講習時間がこの訓練時間を超えて行われる場合もあります。

・医療事務管理士(歯科)
「医療事務管理士(歯科)」は、技能認定振興協会(JSMA)が認定する資格です。この資格では、歯科医院における患者さんへの対応、レセプト作成、カルテの管理といった歯科助手に必要な医療事務スキルを持っているかどうかが審査されます。

認定試験は、年齢や学歴にかかわらず、誰でも受験することができます。奇数月の第4土曜日に年6回開催される会場試験と、時間や場所を問わずに受験できるIBT(Internet Based Testing)試験の試験方法を選べます。

実技試験ではレセプト作成に必要な知識が問われます。試験時間は3時間で、全部で3問出題されます。
学科試験はマークシート式で、法規、医学一般、保険請求事務に関する問題が10問出題。試験時間は1時間となっています。
合格には、学科試験は70%以上の得点、実技試験は3問すべて50%以上の点数を取り、さらに3問の合計が70%以上の点数を取る必要があります。

・歯科助手専門員
「歯科助手専門員」は、全国医療福祉教育協会が認定する資格です。 この資格は歯科助手が必要なスキルと知識を証明するもので、たのまな通信講座「歯科助手講座」を修了すると取得することができます。

この講座では、必要な知識が網羅されたテキスト教材のみならず、 理解をより深めるために実際の歯科医院で撮影されたDVD教材も活用することで、歯科助手に求められる歯科医院における知識やスキルを身につけることができます。

・歯科助手検定試験
「歯科助手検定試験」は、医療福祉教育振興グループの日本歯科助手検定協会によって運営されています。1級、2級、3級の3種類の検定試験があり、受験資格は特にありません。
試験時間はすべての級において60分で、70%以上の正答で合格となります。

試験内容は、3級は歯科医療の基本的な知識と簡単な診療方法の把握、2級は歯科医療のさらに広い知識と診療方法の応用が問われます。 1級は、歯科医療への深い認識と、診療体制について正確且つ迅速な対応力が求められます。

・歯科医療事務検定
「歯科医療事務検定」は、全国医療技能検定協議会が運営する検定試験です。受付業務、カルテ管理業務、レセプトの作成、点検業務といった歯科医院における事務業務のほか、 歯科医師・歯科衛生士のサポート業務を円滑に行うスキルを持っているかが問われます。1級から3級まであり、それぞれの級で求められる知識やスキルは異なります。

3級は、医療保険制度などの理解や基本的な治療内容の把握のほか、カルテに点数記入ができる能力が求められます。 2級は、さらに応用的な治療内容を把握し、きちんとレセプトに記入できるかが問われ、1級になるとさらに高度な知識とスキルが審査されます。

以上、歯科助手に関する資格や検定についてご紹介しました。資格を持つと、歯科助手としてのキャリアにプラスに働くことが多いので、資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。